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籠の中の猫

ROSE文庫

籠の中の猫


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500円(税別)
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ホストクラブ『夢幻』で働く結城嘉人は、その日もいつものように仕事を終えた。

吹き付ける風の冷たさに辟易しながら自宅へ向かう。

 

今後のことも考えた方がいいが、今日のところは酒でも飲んで寝てしまおう。

暢気に考えていた嘉人は、しかし、すぐに足を止めることになった。

 

足下に、子どもが一人しゃがみ込んでいる。

 

白い肌に、銀糸の髪。

透明なガラス玉の瞳に見つめられ、嘉人は驚いて息を呑んだ。

 

(……綺麗だ)

 

思わず見とれた嘉人に、猫のような仕草で擦り寄ってきた。

 

「ねえ、僕のこと拾ってよ」

 

――突き放そうとしても、子どもは決して引いてはくれない。

帰れと告げれば、ガラス玉の瞳から感情が全て消え去って、帰る場所がない、と告げる。

 

<著者紹介>

木原梨花

宮城県生まれ、シナリオライター。別名義にて一般向け小説デビュー後、シナリオライターとして活動中。ゲームシナリオ、ドラマCDの脚本などを執筆。本作にてBL小説デビュー。